やりたいことを見つけるための、遠回りのようで近道な方法

「やりたいこと」を見つけることが大切!
そんなことは分かっているけど、「やりたいこと」ってどうやって見つけるのでしょうか?

私(山下)の経験では、「やりたいこと」を見つけるためには、次の2つが効果的です。
①マイプロジェクトを持つ
②人の力を借りて内省する

1.マイプロジェクトを持つ
マイプロジェクトとは、本業の仕事以外のプロジェクトのことです。
これは、副業でもいいですし、お金が発生しない活動でも構いません。
ボランティア活動でも構いませんが、用意されたプロジェクトに参加するのではなく、自分が主催メンバーになることがポイントです。

私(山下)の経験をお話します。

私は、京都市役所の職員として、最初の部署では、地域の人と一緒にスポーツ大会を主催したり、子育てサロンを運営したりしていました。
それから、若者の活動支援や相談窓口の設置などの業務に携わった後、人事・総務部門に異動になりました。
そこで、公務員の仕事は市民のためという想いを持っているつもりでしたが、現場から遠くなるにつれ、知らず知らずのうちに、がんばることのモチベーションが「人に評価されること」に変わっていったのです。

それに気が付いたのは、とあるワークショップでした。自己紹介で、他の方が「自分がどういう想いでその仕事をしているのか」、「これから何をやっていきたいのか」を自然に語るのに対し、私は、「自分は人事的な仕事をしています」しか話すことができませんでした。

自分が大切にしていることが何も語れなかったのです。。。

自分はこのまま60歳になったらどうなったしまうんだろうかと怖くなり、35歳にして自分探しをはじめました。

最初は、いろんなセミナーやワークショップに参加していたのですが、次第に、自分でプロジェクトを主催するようになりました。
・公務員がやりがいを持って働くための講座、イベント
・人が価値観でつながるための1泊2日の合宿プログラム
コミュニティ・オーガナイジングという手法を伝えるワークショップ
(思い返せば、仲間に恵まれていることに本当に感謝です)

こうしたプロジェクトや本業を通じて、私の中には、次のようなことに興味があることに気づいていきました。
#価値観に沿って生きる
#やりがい
#つながり
#共通の目標に向かって進む
#まちづくり
#ファシリテーション などなど

そして、ある時、コーチングに出会い、コーチングの素晴らしさを実感し、今に至ります。

では、マイプロジェクトを通じて私の中に何が起こっていたのでしょうか?

それは、自分の価値観をよりクリアにする作業をしていたということです。

この活動はとても楽しいけど、本当の情熱を傾けるには、何かちょっと違うかな、とか、この部分は楽しいけど、この部分は少し興味が薄いかなといった、自分の価値観の細かな擦り合わせを行っていました。

大きかったのはファシリテーションへの興味とコーチングとの出会いです。
多様な人が集まり、共通認識を深めたり、共通の目標に向かって進むことをサポートするファシリテーションは楽しく、すごく興味があったのですが、情熱を傾けるまでには至りませんでした。

一体、この感覚はなんなんだろうと、自分でも不思議に思っていました。

そんな時に、コーチングに出会い、自分は、場に働きかけるファシリテーションも楽しいけど、それ以上に、人が価値観に沿った人生を生きるために、個人に深く関わるコーチングをやりたい!と本気で思えたのです。

誰もが最初から100%やりたいことを明確に分かっているということはありません。
少しでも興味があることがあれば、行動に移してみる。
結果的にそれが楽しくなかったとしても、そこから自分の価値観に気づくことができます。
それが、自分の価値観をクリアにするための近道だと思っています。

もし、自分で主催するということにハードルを感じる方は、プロボノから始めてもいいかもしれません。
プロボノを仲介してくれる機関としては、例えば以下のところがあります。
サービスグラント
ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京

2.人の力を借りて内省する

「やりたいこと」を見つけるためには、自分の価値観をクリアにすることが大切です。

それは自分の内面を見に行く作業であり、ある程度までは一人でできますが、限界があります。

私たちの意識は、表面意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)に分かれています。
海上に浮かんでいる氷山(表面意識)は、海中に沈んで見えない氷山全体(無意識)の一角にしか過
ぎません。
私たちの意識のうち、表面意識は10%に過ぎず、残りの90%が無意識と言われています。そして、無意識は意識の2万倍力があるとも言われています。

この無意識の部分に気づくためには、人の助けが必要です。

私は自分探しを始めてから、コーチングに出会うまで4年半かかりました。
この間に、誰かに内省を手伝ってもらっていれば、もっと早く自分の価値観をクリアにすることができただろうと、今になって思います。

私は今は定期的にコーチングを受けていて、コーチに自分の内省のお手伝いをいただいています。
そこで、「自分の力でる方向」を確認し、そこに向かって行動を進めることができています。

もちろん、内省するためには、コーチングが唯一の方法ではなく、内省のためのワークショップに参加するなど、様々な方法があります。
その中で、「やりたいことを見つけたい」、「自分の進む道を考えたい」、「もっと自分の能力を発揮したい」など、クリアにしたい内容が明確な場合は、コーチングはより効果的な方法の1つです。
いずれにしても、自分の無意識の部分を掴みにいくには、プロの手を借りることが近道です。

「やりたいこと」を見つけなければならない。
と思うと、なんだか重たい気分になりますよね。

でも、仲間やコーチなどと一緒に、「やりたいこと」を確認していくと思えば、ワクワクしませんか?

私がコーチをしている経験では、クライアントさんが自分の「やりたいこと」に本当に気づいた時には涙を流されることもあります。

自分の価値観を探す作業は、大変でもありますが、それ以上に、楽しく、力が沸いてくるものです。

このブログを読んでいただいたみなさんが、自分の力の出る方向に進まれることを、心からお祈りしています。

山下比佐暢