人は幸せについての判断を間違ってしまう

この本は、幸せ・幸福(well-being)の形は、もちろん個人個人異なり、多様だけど、基本メカニズムは単純ではないか?という仮説から始まる。

何かをすれば、それが直接、幸せにつながるという方程式は当然ないので、人は幸せについての判断を間違えてしまう。
ノーベル経済学賞受賞者であるダニエル・カールマンが、人が間違えたところに焦点を当ててしまうことを「フォーカシング・イリュージョン」と言っている。
「人は所得が上がれば幸せになれる」と思いがちである。もちろん、生活を安定させるための収入は必要だが、ある調査によると、一定の収入になると、収入と幸福感の相関関係はなくなる。
「自由時間は長い方が幸せになれる」と思いがちである。でも、内閣府の調査によると、自由時間が短い方が幸福な傾向がある。
「欲しいものが手に入れば幸せになれる」「出世すれば幸せになれる」と思いがちである。でも、これらの地位財を求め続けるのは、快楽のランニングマシンに乗るようなもので、なければ満たされない状態が続く。地位財と非地位財のバランスが重要である。

著者の前野さんは、アンケート調査で幸せの心的要因を因子分析して、幸福感が高い人が持つ4つの因子を導き出した。

1「やってみよう!」因子
「私のこれまでの人生は、変化、学習、成長に満ちている」「自分は自己実現に向かっている」と思えている。

2「ありがとう!」因子!
「人生において感謝することはたくさんある」「他者に親切にし、手助けしたい」と思えている。

3「なんとかなる!」因子
「私は物事が思い通りにいく」「私は失敗や不安な感情をあまり引きずらない」と思えている。

4「あなたらしく!」因子
「私が何ができて何ができてないかは外部の製薬ではない」「自分と他者をあまり比較しない」と思えている。

何かを持っている、何かを成し遂げたなど、幸せの形は人それぞれだけど、この4つの因子を自分が持っている状態を目指すのが、幸せにつながるとのこと。

これはとても、大切な視点だと思う。「周りが幸せそうじゃないから、自分もこういうものかな 」となんとなく感じながら過ごすのと、「自分は幸せになるんだ」という意志を持つのとでは、今ここからの人生が大きく違うものになる。

では、具体的にどうすればいいのか、私自身の経験を踏まえて、それぞれの因子を高めるための方法を考えてみた。

1「やってみよう!」因子を高めるために
仕事以外の何らかの活動「マイプロジェクト」をやってみる。ボランティアでもいいし、短期のプロジェクトでもいいし、NPOやプロボノ活動でもなんでもいい。私自身、前の仕事をしながら、友人と一緒にワークショップ、講座、イベント、合宿プログラムなどいろんなマイプロジェクトをやってみた。そうすると、自分がわくわくすること、興味があることが細分化して気づくようになる。私は、まちづくりやワークショップなどに興味があると思っていたが、こうした活動を通じて、もっと個人個人の成長や自己実現にフォーカスした活動に自分がわくわくすることに気づいた。そうすると、迷いなく「やってみよう!」と思える。

2「ありがとう!」因子!を高めるために
これを高める簡単で有効は方法は、寄付とボランティアだと思う。感謝の気持ちを日常的に持つには、人に感謝される経験がとても有効だと思う。私の経験では、自分が何か人の役に立っていると思えている時こそ、人への感謝の気持ちが大きくなっている。

3「なんとなかなる!」因子を高めるために
一番簡単なのは「笑う」こと。人は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいとも言われている。
次に、たくさん失敗すること。これは、私自身、まだ足りていない部分で、こうなりたいという願いでもある。たいていの失敗は実は人生全体において、大きなことではなく、失敗は次への可能性だと思えたら、常に「なんとなかなる!」と思えるんだろう。

4「あなたらしく!」因子を高めるために
「人前で泣く」ということはとても効果的だと思う。「ハードルが高い」と思った人ほど効果は大きい。泣くということだけではなく、人に弱さをみせるという経験は、自己受容と周りへの信頼を高める。弱さを見せて、人が離れるのではなく、受け入れられたという経験があれば「自分らしくいてもいいんだ」ということを体感できる。