教える時に意識すべき2つの方向

先日、市民プールに行った時のことです。

夏の暑い日差しの中、広いプールの中には、親子連れがたくさんいました。
その中には、小学生ぐらいのお子さんに、泳ぎを教えているお父さん、お母さんが何組かいました。
皆さん熱心に教えられていて、そこで聞こえてくるのは、こうした声でした。

「もっと腕を伸ばして」
「足が元に戻ってる」
「もっと足で蹴って」
「違う」
「さっきと変わってない」

共通しているのは、
できていないことを教える
声でした。

誤解があるとよくないのですが、親御さんはみなさん、お子さんに愛情を持っているのが伝わってきました。
そして、できていないことを教えることが、悪いということでもありません。

ただ、「教える」ということは、
「できていないこと」を教える、
「できていること」を教える、
の2つの方向があります。

コーチングでは、
・その人が大切にしていること
・今までがんばってやってきたこと
・今できていること
などを本人に伝えることをします。

人は、成長したい生き物です。
ついつい、自分の「できていないこと」に目を向けがちです。
ついつい、自分の「できていること」を意識せずに脇に置きがちです。
そうすると、自分を見失ったり、いろんなバランスを崩したりします。

そして、教える人は、相手の成長を願うあまり、
ついつい「できていないこと」に意識が集中してしまいがちです。

人の成長をサポートしたいときは、ぜひ「できていること」と「できていないこと」の両方を教えてあげてください。

人は、「できていること」を意識することで、その能力が確実に定着します。
自己肯定感が高まり、次にチャレンジしようという意欲が高まります。
そして、高まったチャレンジ精神は、別の分野へのチャレンジ精神につながります。

あなたの目の前の人が「できていること」はなんでしょう?
あなたが「できていること」はなんでしょう?

ー誰もが主役になれるー
合同会社カーニバルライフ
山下比佐暢